【企画展示】 「時代を作った技―中世の生産革命―」

 

【会 期】 2013年7月2日(火)―9月1日(日)

【会 場】 国立歴史民俗博物館 企画展示室

 

【趣 旨】

中世は技術が大きく飛躍した時代でした。貴族など上位階層の人たちが儀式などの特別な場で使うものを作る古代の技術から大きく転換し、一般庶民が日常生活で使うための道具が大量に作られます。陶器・漆器・鉄器などが一般消費者へ浸透することで中世の生活変化をもたらしました。考古学の成果からみえてきた中世社会は、生産・流通システムに裏付けられた物質的に豊かな消費社会だったのです。この社会を支えた生産技術は、いかに効率よく大量にモノを作るか、という方向性にあらわれました。

 

一方、日本の工芸技術は海外でも大きく評価され、銅鏡や漆器などのメイド・イン・ジャパンはブランド品として輸出されました。また、東アジアや南蛮貿易によってもたらされた印刷や鉄炮、ガラス生産などの海外の技術は、従来からある日本の技術体系の中で消化され、さらに高性能な鉄炮など、より高度な技術の製品が開発されるようになっていきました。このような、時代のエネルギーの結晶は最先端技術の到達点として実を結び、モニュメントとしての伏見城、大坂城などの城郭や、ヨーロッパでjapan(漆器)としてもてはやされた「南蛮漆器」などの精緻な美術工芸品が次々と生み出されていったのです。

 

この企画展示では「中世のモノ作り」、すなわちこうした中世の技術とそれを支えた職人たちの実像に迫ります。近年の発掘調査の成果により、個々の道具や工房だけでなく、京都や鎌倉などの都市や流通拠点での生産状況、中世のコンビナートと呼ばれ、さまざまな業種の人々が集まっていた茨城県東海村の村松白根遺跡のような職人の村など、生産の場も判明してきています。最新の成果を盛り込みながら、文献史学・考古学・民俗学・美術史学・分析化学などの多視点からの検討を重ね、新しい中世の技術史像を描きます。

 

 詳細情報(歴博のサイト)