【ぶんかの香り】 山田慎也「難聴の中での民俗研究へ」(H22.3.1掲載)

2010年3月1日

 国立歴史民俗博物館 研究部民俗研究系准教授 山田慎也

忘れもしない平成20年9月3日午後、何の自覚もなく気が付いたら右耳の聴力が大幅に低下しており、耳元で大声で言われないとわからないのである。すでに平成12年11月には左耳の聴力を完全に失っているため、ついに普通の会話の聞き取りはできなくなった。入院治療もしたが、結局聴力は戻らないままであった。 
 私の場合、音素を理解する能力が低下しており、補聴器をつけても、大きな音としては聞こえるが、言葉としての理解が難しいのである。いうなれば、チューナーの悪い雑音の入ったラジオを聞いているみたいで、音を大きくすると雑音も大きくなって聞き取りにくさはあまりかわらないといった状態である。・・・  

 

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