第9回全国史料ネット研究交流集会in宮崎

 

全国史料ネット研究交流集会が、九州ではじめて開催されるはこびとなりました。

九州地方は気候変動が広く叫ばれる以前から台風・豪雨による被害が大きかったこともあり、他地方と比較して水害対策が以前からすすめられてきました。特に昭和から平成の早い時期に大規模水害を複数回経験してきた宮崎県や鹿児島県では、インフラ整備によって比較的強靭な水防災環境が整えられています。こうしたことから、近年は災害に伴った資料保全活動も実施されず、ノウハウも蓄積されておりません。

その一方で、今後予測されている南海トラフ巨大地震や九州地方特有の火山災害への対応は必須であり、さらにはまた、気候変動によって巨大化した台風・豪雨水害へも向き合う必要があります。日本の他の地域での経験を理解し、技術や支援を受容する体制の整備も検討する必要があります。

さらに、人口減少化の今日では、災害時のみならず地域社会の現状を理解しそこに関与していく必要があります。増加する空き家とそこに放置された文化財、広く資料の保全はコミュニティの維持にも大きく関係し、資料を「まもる」ことには決して専門家・自治体だけではなく、多様な立場の人々の関与が求められます。

今回の研究交流集会では、九州南部の現状を一つの事例として見据えながら、広く日本列島全体の資料保全と活用の課題を見出していくことを目的とします。

 

「第9回全国史料ネット研究交流集会in宮崎」チラシ

 

第9回全国史料ネット研究交流集会in宮崎

日 時:
2023年1月28日(土)13:30~17:30
 
1月29日(日)  9:30~12:30
会 場:
宮日会館[11F 宮日ホール]オンラインでも開催
定 員:
●会場:120名 ●オンライン:300名

※新型コロナウイルス感染を考慮して定員の半分以下に抑えています。

主 催:
第9回全国史料ネット研究交流集会実行委員会、
大学共同利用機関法人人間文化研究機構「歴史文化資料保全の大学・共同利用機関ネットワーク事業」
共 催:
科学研究費補助金特別推進研究「地域歴史資料学を機軸とした災害列島における地域存続のための地域歴史文化の創成」(研究代表:奥村弘)
後 援:
独立行政法人国立文化財機構文化財防災センター, 宮崎県教育委員会, 鹿児島県教育委員会, 宮崎市教育委員会, 宮崎県博物館等協議会, 鹿児島大学地域防災教育研究センター, 鹿児島大学法文学部附属「鹿児島の近現代」教育研究センター, 宮崎日日新聞社, みやざきアートセンター, 歴史資料ネットワーク, NPO 法人宮城歴史資料保全ネットワーク, 文化遺産防災ネットワーク, そうま歴史資料保存ネットワーク, ふくしま歴史資料保存ネットワーク, 那須資料ネット, 茨城文化財, 歴史資料保全, 救済ネットワーク, とちぎ歴史資料ネットワーク, 千葉歴史・自然資料救済ネットワーク, 群馬歴史資料継承ネットワーク, 特定非営利活動法人歴史資料継承機構じゃんぴん, 新潟歴史資料救済ネットワーク, 地域史料保全有志の会, 信州資料ネット, 歴史資料保全ネット・わかやま, 岡山史料ネット, 広島歴史資料ネットワーク, 山陰歴史資料ネットワーク, 歴史資料ネットワーク・徳島(徳島史料ネット), 愛媛資料ネット, 高知地域資料保存ネットワーク, 熊本被災史料レスキューネットワーク

プログラム:

【1日目】

13:30
開始
13:40-15:10
シンポジウムⅠ「南海トラフ地震・火山噴火・水害-限られた資源でどう向き合っていくか-」
15:10-15:50
ポスターセッション
15:50-16:55
シンポジウムⅡ「地域社会の現状に向き合う-地域コミュニティ・多様な人材-」
17:05-17:30
緊急報告会

【2日目】

9:30-11:00
シンポジウムⅢ「資料の所在をいかに把握するか」
11:10-12:30
討論
12:30
終了