No.045 - 文部科学省エントランス展示「みんなで創る地球環境ポスター展」

文部科学省エントランス展示「みんなで創る地球環境ポスター展」

 

人間文化研究機構総合情報発信センター

 

   文部科学省では、省内の広報スペースを活用し、大学・研究機関等における成果や特色ある取組を展示物として紹介する広報を実施しています。全国の国公私立大学・研究機関等から採択された企画が文部科学省の正面入口にて展示され、数多くの来訪者の目にふれることとなります。
  今回は、2019年5~6月に実施した文部科学省エントランス展示についてご紹介します。

 

総合地球環境学研究所「みんなで作る地球環境ポスター展」
(期間:2019/05/20-06/21)

 

   総合地球環境学研究所(地球研)所蔵の「国連子供環境ポスター原画コンテスト※」の作品を活用した教育ワークショップの成果を展示しました。
   ワークショップでは、草津市立渋川小学校(滋賀県)の六年生のみなさんが、4人グループを組んで好きなポスター原画を選びます。次にその作品の裏に書かれた作者の名前や年齢、出身国を確認して、題名や解説文などを話し合いながら作ります。10分かけて作品をひとつ選ぶのですが、子どもたちは、始めは真剣な表情で絵画をながめていましたが、その後、手に取って作者の国籍や年齢を確認すると「うわ!7歳やて!」「同じ年や!」「やばい!」など世界中の同年代の子どもたちが環境を鋭い視点で捉えていることに驚き、絵画に引き込まれていくようでした。

 

グループで選んだ絵について、解説文やタイトルを考えます。
違う意見を持つ者の間で一緒に考え話し合う姿は研究者にとっても学びとなりました。

 

 

 1枚の絵画を選び、その作品が伝えたいこと、その作品を選んだ理由、作品をとおして自分たちがどのようなことを考えられるかを話し合い、発表しました。いわば学芸員になって、「地球環境ポスター展」をみんなで創り上げたのです。

世界中の子どもたちの絵画が文科省エントランスを彩りました。

 

 

 エントランスでの展示期間中は、来訪者が木の葉を模したメモ用紙にメッセージを残すコーナーを設置して、展示を見た人の参加により、展覧会が完成するというユニークな工夫を施しました。ただ受身で絵を鑑賞するのではなく、絵のメッセージを伝える立場になることで、絵との対話は格段に深まりました。

正面奥にはワークショップの様子を映像で紹介しました(関連リンク参照)。
右奥にはメッセージボードを設置しました。

 

 

 人間文化研究機構は、人間の文化活動並びに人間と社会及び自然との関係に関して研究しています。このため、社会に対して「真の豊かさを問うこと」により、社会と研究現場との応答を重ねていくことが必要です。今後も、人間文化研究機構では、毎年様々なイベント等を開催して一般及び研究広報を推進するとともに、「双方向情報発信」を目指した人文知コミュニケーターの組織的育成事業を実施するなど人文知の環流を推進しています。

 

 


※国連子供環境ポスター原画コンテスト
 国連環境計画 (UNEP) が主催する、世界の中学生以下の子どもを対象に行ってきた事業です。地球研はこの事業の協力機関であり、コンテストの応募作はすべて地球研に寄贈されています。

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 【関連リンク】
   総合地球環境学研究所 公式YouTubeチャンネル「みんなで創る地球環境ポスター展」