機構長あいさつ

 

 地球環境問題の深刻化、価値観の多様化や異文化の間での対立激化など、21世紀の人類が抱える問題は深刻かつ多岐に及びますが、学術は本来、こうした問いに対する答えを導き出し、人びとがよりよく生きるためのものです。しかし今の日本では学術は衰退の危機に直面しています。とくに人文学に対する風当たりが強く、学術全体の健全な発展が阻害される恐れさえあります。科学技術が発展すれば問題の解決がはかれるという見解もありますが、ほんらい科学技術は文化の一部に位置づけられてこそ健全な発展が見込まれるものです。

 

 人間文化研究機構は、昨年度(2016年度)、総合人間文化研究推進センター、総合情報発信センターを立ち上げ、機構を構成する6つの機関と一体となって「日本文化研究」「グローバル文化研究」として括られる共同利用・共同研究を推進し、その成果を可視化して発信する事業をスタートさせました。

 

 現在、共同利用・共同研究の制度のあり方をめぐって大きな議論が巻き起こっています。現行制度による大学共同利用機関法人の存続も決して予断を許しませんが、人文機構は、全国の大学や共同利用・共同研究拠点などと連携し、人文学の健全な発展をけん引し学術の本来の使命を果たします。

 

 みなさまのご支援を切にお願いするものです。

 

 

平成29年5月

 

大学共同利用機関法人 人間文化研究機構

機構長  立本 成文