最新情報

定期的に講演会やシンポジウムを行っています。

シンポジウム「デジタル写真データベースが拓く学術活動の未来―蓄積された画像資料をいかに活用するのか―」

  • 2018年05月19日

 日本の研究者が世界各地で調査するさいに撮影した写真や動画などの画像資料は、調査当時の実態を記録した研究資源であると同時に、日本の学術史を反映する学術遺産でもあります。国立民族学博物館が中心となって進める「地域研究画像デジタルライブラリ」(略称DiPLAS、正式名称は下記主催者名を参照)では、広い意味で地域研究に関わって進められている科学研究費助成事業(科研費)プロジェクトを対象に、過去に蓄積された画像資料のデジタル化・共有化を技術的に支援してきました。
 今回のシンポジウムでは、この分野での研究支援の重要性を訴えるとともに、支援プログラムが個々の研究の進展に及ぼした効果を検証し、今後の学術のありかたを構想します。シンポジウム終了後には、2018年度の支援プログラムへの応募を検討している科研費代表者を対象として、個々の質問にお答えする相談会を開催します。
★応募期間は4月初旬から6月初旬の予定
                   研究支援代表者:吉田憲司(国立民族学博物館・館長)

 

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【日文研】第321回 日文研フォーラム「日本国民の戦争記憶をめぐる映画戦争」

  • 2018年05月08日

 占領期において日本のメディアは厳しく統制され、映画界も極東国際軍事裁判の判決に従わざるを得ませんでした。しかし、占領軍が撤退するや否や、日本国民の戦争記憶をめぐる戦いは燃え上がりました。左派の監督は戦争の暴力性や残酷さに注目する映画を撮り続ける一方、新東宝などの映画会社は日本兵を美化した作品などを通して、映画産業における主流派となりました。
 二十一世紀に入ってからも、構造における変化は見られますが、ストーリー、描写、メッセージなどにおいては占領後の戦争映画を再現している性格が強いように思います。このような戦争を主題とする占領期以降の映画群の分析を通して、その諸要素を明確にすることで、戦後の日本戦争映画の源流を探ります。

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【民博】みんぱくゼミナール 「EEMという『運動』」

  • 2018年04月21日

EEM(Expo’70 Ethnological Mission「日本万国博覧会世界民族資料調査収集団」)の収集の様子や当時の裏話を、EEMの主要なメンバーであった松原正毅先生(本館名誉教授)をお迎えして、皆様と楽しみたいと思います。

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展示

【歴博】第 4 展示室特集展示「お化け暦と略縁起-くらしのなかの文字文化-」

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お化け暦(ごよみ)と聞くと、幽霊や妖怪の出現する場所や日時が記されたカレンダーと期待する人もあるかもしれません。明治時代、それまで使われてきた太陰太陽暦(いわゆる旧暦)が廃止され、新たに太陽暦が採用されると、旧暦に従って営まれていた生業や生活にはかなりの混乱が生じました。旧暦は月の満ち欠け、潮の干満と連動しており、さらに日時方角などの吉凶を示すさまざまな暦注が記されていて人びとはそれを目安に仕事をしたり、冠婚葬祭を営んだりしていましたが、明治6年の太陽暦採用はそうした生活の基盤を根こそぎくつがえしてしまいました。それによって生じた不便さを乗り越えるために、政府から認められない秘密出版で、旧暦を記載した暦が数多く送り出されたのです。秘密出版であるために発行者名に偽名が用いられていることが多く、その責任のありかがぼかしてあったために「お化け」と呼ばれたのです。こうした生活に密着していながら、おおやけには認められなかった暦を取りあげ、そのバリエーションと生活の中での位置づけについて考えてみます。民俗研究は一般に文字記録によらないさまざまな言い伝え、伝承を対象とするものですが、実は暦に代表されるような生活に密着した文字情報と深く結びついていました。そのありさまを、さまざな角度から考えます。

また、そうした生活のなかに伝えられてきた情報が文字に記される機会は江戸時代に既にかなり多くありました。それは、教育の浸透によって多くの人びとが文字を読み書きできたからと考えられます。そうした高い識字率に支えられて多くの出版物が流通したわけですが、分厚い書籍も数多く出版された一方で、一枚刷りの紙片や数ページに過ぎない印刷物もくらしのなかで一定の役割を果たしていました。そうした前近代の文字と生活との接点にあたるものとして次に、略縁起(りゃくえんぎ)という出版物を取りあげます。これは寺社などの由来沿革を文字に記したもので、寺社に詣でる人や開帳などに詰めかける人に配布された一種のパンフレットです。そこにはごく簡単に寺や神社、宝物に関する歴史や説話が紹介されています。絵を伴うものもあり、今日でも有名寺社で同じようなものを手にする機会は多くあります。そしてそこにはわれわれが求める歴史や文化に関する情報がコンパクトに盛りこまれています。江戸時代から盛んに刊行された略縁起を軸に人びとの歴史や文化の知識、さらには神仏などへの期待についての理解を深めます。

今回の展示では、近世期に広く版行された略縁起と、近代に旧暦を温存した「お化け暦(ごよみ)」を中心に、関連する写真パネルなどとともに展示し、生活のなかでの文字文化の位相について考えていきたいと思います。

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【歴博】第3展示室特集展示「錦絵 in 1868」

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2018年は慶応4年(戊辰の年)から150年目にあたります。天保の改革以後、錦絵はメディアとしての性格を強め、政治や世相の動きに取材したものは従来の役者絵や美人画、名所絵に次ぐような大きなジャンルに成長していました。とくに慶応4年1月3日(1868年1月27日)の鳥羽(とば)伏見(ふしみ)の戦いにはじまる戊辰戦争に関しては、勃発の初期からおよそ大勢の決まる東北戦争までの間、戦局の推移に従って大量の風刺画が出版され、時局に取材した幕末・明治初期の錦絵の中でひとつのピークを成しています。それらは近年、都市民衆の政治意識をさぐるための資料として注目されつつありますが、出版統制がおこなわれていた当時、新政府側と旧幕側の戦いを子ども同士の遊びに偽装したり、表向き過去の歴史的事件として描くなど、規制をかいくぐるためのさまざまな風刺画の絵づくりの手法を楽しむこともできます。

当館は幕末・明治初期の錦絵を豊富に所蔵しており、それらの中から戊辰の年に出版されたものを選び、錦絵でもって戊辰戦争を中心とし、明治天皇の東幸などの世の中の動きを視覚的に提示するとともに、当時の風刺画の特徴的手法についても紹介します。

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【歴博】くらしの植物苑特別企画「伝統の桜草」

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「伝統の桜草」とは、江戸時代中頃以降、園芸家によって野生種の中から変わった花が探し出され、多くの品種が作り出されてきた一連の桜草をさします。花の色は紅色から白色、花の形も平弁からつかみ弁までと様々です。こうした多様な花色・花形の桜草を展示するとともに、2003年に寄贈された桜草花壇によって伝統的な観賞方法を再現するなど、展示方法にも工夫をします。また、今年度は「サクラソウの色素とその遺伝子」をテーマとして、桜草は花色が多様化しているにも関わらず色素の種類は少なく構成が単純であることや、遺伝子によって色素がつくられる仕組みについてパネルで紹介します。

併せて、2007年に収集した八重咲きの品種や2010年に収集した野生系の品種、2013年から2015年にかけて収集した現代の新花も展示します。

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【民博】開館40周年記念特別展「太陽の塔からみんぱくへ― 70年万博収集資料」

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国立民族学博物館が所蔵する、「日本万国博覧会世界民族資料調査収集団」(「万博資料収集団」)が1968年から1969年にかけて収集した世界の諸地域の標本資料、資料収集に関連した書簡や写真等の諸資料を展示、公開し、60年代後半から70年代にかけて世界が大きく動いていく状況のなかでの民族文化や地域社会の様相を、現地における収集活動の様子やコレクションから描き出します。

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