大手町アカデミア×人間文化研究機構 オンライン無料特別講座「書物の「かたち」を読む―日本が経験しなかったメディア転換 とデジタル時代―」
人間文化研究機構(以下「人文機構」)は、「大手町アカデミア」(主催:大学共同利用機関法人人間文化研究機構 一般社団法人読売調査研究機構 後援:読売新聞社)と連携・協力の下、研究プロジェクトの成果発表の一環として、広く一般を対象に、オンライン無料特別講座を実施しています。
講座の概要・申込方法等は以下をご参照の上、ぜひお申し込みください。


スマホで漫画を読む—30年前には考えられなかったことが、いつしか当たり前になりました。紙の本から電子書籍へと、いま書物の「かたち」は大きく変わりつつあります。紙の本はなくならない、という声も少なからずありますが、書物の未来の姿がどのようなものになるか、私たちはこれから目撃することになります。
これまでも、メディア(媒体)のかたちは変化してきました。碑文や竹簡から紙へ。写本から印刷へ。世界の中で、日本が経験「しなかった」メディア転換があります。その独自の歴史を知り、日本とメディア転換について考えてみましょう。

本講座では、国文学研究資料館の副館長、入口敦志教授を講師に迎え、日本の書物文化の歴史において、書物の「かたち」が、それぞれどのような意味をもっていたかを詳しく解説していただき、メディア転換と日本人についての新しい視点をもたらしていただきます。
講演に続くトークセッションでは、読売新聞東京本社編集局文化部次長で、文芸・読書面を長く担当する待田晋哉が聞き手を務め、デジタルへのメディア転換という、今まさに世界で起こっている事象と、日本の書物文化、読書文化の特性などについて、さらに話を展開する予定です。
|講師による講座内容のご紹介
入口 敦志 氏

大学共同利用機関法人 人間文化研究機構
国文学研究資料館 研究部 教授 (副館長)
東アジアにおける前近代の書物のかたちや装訂は、すべて中国起源です。しかし、各国におけるその展開の様相は、それぞれに異なった様相を見せます。そのなかでも、特に日本の書物文化は、中国などとは違った独自のものなのです。
例えば、粘葉装(でっちょうそう)や列帖装(れつじょうそう)などの装訂は、中国では早くに使われなくなっていましたが、日本では平安時代から江戸時代の末まで作り続けられていました。書物は単なる情報伝達の媒体ではなく、身分や格式を保つために必要な物だったからだと考えられます。
このように、メディア(媒体)としての書物を文化としてとらえてみると、日本文化の独自性が浮かび上がってくるのです。そしてそのことは、現代の電子メディアへの転換にも大きな影響を及ぼしていると思われます。日本の書物文化の特徴を概観しながら、メディアの問題を考えてみたいと思っています。
|開催概要
タイトル 大手町アカデミア×人間文化研究機構
書物の「かたち」を読む
―日本が経験しなかったメディア転換とデジタル時代―
講 師 入口 敦志氏(国文学研究資料館 研究部 教授 (副館長))
聞 き 手 待田 晋哉(読売新聞東京本社 文化部次長)
開催日時 2026年1月19日(月)18時~19時45分
開催方法 オンライン配信(YouTubeライブ)
内 容 ・入口 敦志氏による講演 ・トークセッション ・Q&A
受 講 料 無料
定 員 500名(定員に達し次第締め切ります)
申込方法 Peatix ピーティクス(外部サイトにリンクします)
申込締切 2026年1月15日(木)
受講方法 前日までに視聴方法をメールでお送りします
主 催 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構、(一社)読売調査研究機構
後 援 読売新聞社
|講師プロフィル
入口 敦志 (いりぐち・あつし)
大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国文学研究資料館 研究部 教授 (副館長)

九州大学大学院博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。日本近世文学の研究。主要な研究テーマは、17世紀の日本の学芸、出版文化等であるが、それらを東アジアの中での位置づけに注目して研究を進めている。著書に『武家権力と文学─柳営連歌、『帝鑑図説』』(ぺりかん社、2013年)、『漢字・カタカナ・ひらがな─表記の思想』(平凡社、2016年)など。
|聞き手プロフィル
待田 晋哉(まちだ・しんや)
読売新聞東京本社 編集局文化部次長

1974年、山口県生まれ。97年に読売新聞社に入社。2003年に文化部に配属され、長く文芸や読書面を担当。現在は、文化部次長として日曜日の「本よみうり堂」の紙面作りを担当。




