展示

【歴博】くらしの植物苑特別企画「伝統の朝顔」

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朝顔は古くから多くの人々に親しまれてきました。特に江戸時代以降になると、文化・文政・天保期、嘉永・安政期、明治・大正期など、繰り返し朝顔ブームが訪れ、そのたびに葉と花の多様な変化や組み合わせを楽しむ変化朝顔(参考「豆知識」)がつくり出されてきました。これは今日の遺伝学でいう突然変異を見つけ出し、系統として確立するという、世界的に見ても特異なもので、特に幕末頃には多くの品種がつくり出されていたようです。しかし、それらの中には、残念ながら単純な大輪朝顔の人気に圧倒されて、あまり知られることなく絶えてしまったものもあります。ただし、広くは栽培されなかったものの、一部の愛好家の努力によって大切に保存され、現在に伝えられたものも少なくありません。

そこで、江戸時代以降の独創的な知識と技術を駆使してつくり上げられた伝統の朝顔を広く知っていただき、人と植物との関わりを見るべく、本館では 1999 年以降、歴史資料としてこれらの朝顔を展示してきました。とくに今回は、近代における変化朝顔の再興や大輪朝顔の人気沸騰に焦点をあてた 2016 年開催の「近代の朝顔ブーム」に続く「続・近代の朝顔ブーム」をテーマとし、栽培家による版画を用いた『朝顔会報』の成り立ちとその特徴や、近代の交配・育種法の普及、朝顔を用いたメンデル遺伝の研究史について、それぞれパネルで紹介をおこないます。

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【歴博】企画展示「ニッポンおみやげ博物誌」

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本展は、近世から近・現代にかけて展開してきた「おみやげ」という贈答文化とその背景と なる旅と観光の様相を、主に国立歴史民俗博物館が所蔵する資料を通して紹介します。 

国民すべてが一年に一度以上、旅行に行くとされる現代においては、おみやげの贈答もま た、日常的なやりとりの一つとなっています。本展では、おみやげが生まれる場所とその特 質、おみやげと旅を経験する人々との関係、そして旅の果てにたどりつくおみやげの行方に 注目していきます。 

また「おみやげ」のコレクションを通して、日本人における人とモノと物語のつながりも問 い直します。人はなぜ、おみやげを集めるのか、おみやげのコレクションからは、日本文化 のどのような特質が見えてくるのか。本展では資料約 1300 点を展示し、さまざまな「おみや げ」の変遷や背景をたどります。 

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通常展示「書物で見る 日本古典文学史」

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展示名:通常展示「書物で見る 日本古典文学史」

会 期:平成30年6月11日(月)~9月15日(土)

休室日:日曜日・祝日・夏季一斉休業に伴う休室日(8月11~15日)、
展示室整備日(6月27日、30日、7月11日、8月8日)

開室時間:午前10時~午後4時30分 ※入場は午後4時まで

場 所:国文学研究資料館1階 展示室

入場無料

主 催:国文学研究資料館

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【歴博】第 4 展示室特集展示「お化け暦と略縁起-くらしのなかの文字文化-」

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お化け暦(ごよみ)と聞くと、幽霊や妖怪の出現する場所や日時が記されたカレンダーと期待する人もあるかもしれません。明治時代、それまで使われてきた太陰太陽暦(いわゆる旧暦)が廃止され、新たに太陽暦が採用されると、旧暦に従って営まれていた生業や生活にはかなりの混乱が生じました。旧暦は月の満ち欠け、潮の干満と連動しており、さらに日時方角などの吉凶を示すさまざまな暦注が記されていて人びとはそれを目安に仕事をしたり、冠婚葬祭を営んだりしていましたが、明治6年の太陽暦採用はそうした生活の基盤を根こそぎくつがえしてしまいました。それによって生じた不便さを乗り越えるために、政府から認められない秘密出版で、旧暦を記載した暦が数多く送り出されたのです。秘密出版であるために発行者名に偽名が用いられていることが多く、その責任のありかがぼかしてあったために「お化け」と呼ばれたのです。こうした生活に密着していながら、おおやけには認められなかった暦を取りあげ、そのバリエーションと生活の中での位置づけについて考えてみます。民俗研究は一般に文字記録によらないさまざまな言い伝え、伝承を対象とするものですが、実は暦に代表されるような生活に密着した文字情報と深く結びついていました。そのありさまを、さまざな角度から考えます。

また、そうした生活のなかに伝えられてきた情報が文字に記される機会は江戸時代に既にかなり多くありました。それは、教育の浸透によって多くの人びとが文字を読み書きできたからと考えられます。そうした高い識字率に支えられて多くの出版物が流通したわけですが、分厚い書籍も数多く出版された一方で、一枚刷りの紙片や数ページに過ぎない印刷物もくらしのなかで一定の役割を果たしていました。そうした前近代の文字と生活との接点にあたるものとして次に、略縁起(りゃくえんぎ)という出版物を取りあげます。これは寺社などの由来沿革を文字に記したもので、寺社に詣でる人や開帳などに詰めかける人に配布された一種のパンフレットです。そこにはごく簡単に寺や神社、宝物に関する歴史や説話が紹介されています。絵を伴うものもあり、今日でも有名寺社で同じようなものを手にする機会は多くあります。そしてそこにはわれわれが求める歴史や文化に関する情報がコンパクトに盛りこまれています。江戸時代から盛んに刊行された略縁起を軸に人びとの歴史や文化の知識、さらには神仏などへの期待についての理解を深めます。

今回の展示では、近世期に広く版行された略縁起と、近代に旧暦を温存した「お化け暦(ごよみ)」を中心に、関連する写真パネルなどとともに展示し、生活のなかでの文字文化の位相について考えていきたいと思います。

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【歴博】第3展示室特集展示「錦絵 in 1868」

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2018年は慶応4年(戊辰の年)から150年目にあたります。天保の改革以後、錦絵はメディアとしての性格を強め、政治や世相の動きに取材したものは従来の役者絵や美人画、名所絵に次ぐような大きなジャンルに成長していました。とくに慶応4年1月3日(1868年1月27日)の鳥羽(とば)伏見(ふしみ)の戦いにはじまる戊辰戦争に関しては、勃発の初期からおよそ大勢の決まる東北戦争までの間、戦局の推移に従って大量の風刺画が出版され、時局に取材した幕末・明治初期の錦絵の中でひとつのピークを成しています。それらは近年、都市民衆の政治意識をさぐるための資料として注目されつつありますが、出版統制がおこなわれていた当時、新政府側と旧幕側の戦いを子ども同士の遊びに偽装したり、表向き過去の歴史的事件として描くなど、規制をかいくぐるためのさまざまな風刺画の絵づくりの手法を楽しむこともできます。

当館は幕末・明治初期の錦絵を豊富に所蔵しており、それらの中から戊辰の年に出版されたものを選び、錦絵でもって戊辰戦争を中心とし、明治天皇の東幸などの世の中の動きを視覚的に提示するとともに、当時の風刺画の特徴的手法についても紹介します。

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【歴博】くらしの植物苑特別企画「伝統の桜草」

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「伝統の桜草」とは、江戸時代中頃以降、園芸家によって野生種の中から変わった花が探し出され、多くの品種が作り出されてきた一連の桜草をさします。花の色は紅色から白色、花の形も平弁からつかみ弁までと様々です。こうした多様な花色・花形の桜草を展示するとともに、2003年に寄贈された桜草花壇によって伝統的な観賞方法を再現するなど、展示方法にも工夫をします。また、今年度は「サクラソウの色素とその遺伝子」をテーマとして、桜草は花色が多様化しているにも関わらず色素の種類は少なく構成が単純であることや、遺伝子によって色素がつくられる仕組みについてパネルで紹介します。

併せて、2007年に収集した八重咲きの品種や2010年に収集した野生系の品種、2013年から2015年にかけて収集した現代の新花も展示します。

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【民博】開館40周年記念特別展「太陽の塔からみんぱくへ― 70年万博収集資料」

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国立民族学博物館が所蔵する、「日本万国博覧会世界民族資料調査収集団」(「万博資料収集団」)が1968年から1969年にかけて収集した世界の諸地域の標本資料、資料収集に関連した書簡や写真等の諸資料を展示、公開し、60年代後半から70年代にかけて世界が大きく動いていく状況のなかでの民族文化や地域社会の様相を、現地における収集活動の様子やコレクションから描き出します。

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【歴博】企画展示「世界の眼でみる古墳文化」

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日本列島には、3世紀中頃から6世紀までの約350年間、世界史的に見ても稀なスケールをもった先史モニュメントが築かれました。それは現代でも地域の景観を演出し、一部はいまだに国家的祭祀の対象となっています。

本展は、2019年の第1展示室[先史・古代]のリニューアルオープンに先立って、日本の歴史と文化の最大のシンボルともいえる古墳を、世界の先史モニュメントと比較して特質をあぶり出し、その主人公として葬られた王の姿を出土品などから復元します。さらに、そのような王や古墳の姿を、現代日本のアートやサブカルチャーの担い手、世界の考古学者たち、古墳が築かれたのちの今までの日本人や日本社会がそれぞれどんなまなざしで見つめ、そこに何を求め、未来にどう伝えようとしているのかを、作品・写真・古文書・出土品・複製品など約100点のさまざまな展示を通して明らかにします。

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【歴博】特集展示 『もの』からみる近世「和宮ゆかりの雛かざり」(第3展示室)

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幕末の動乱期、波乱にとんだ生涯を送ったことで知られる和宮は、仁孝天皇(にんこうてんのう)の第8皇女として生まれ、「公武合体」の証しとして文久元年(1861)14代将軍徳川家茂(とくがわいえもち)に降嫁しました。

今回の特集展示で展示する雛人形・雛道具類(当館所蔵)は、和宮所用として伝来したもので、有職雛(ゆうそくびな)と呼ばれる種類の雛人形と、江戸七澤屋(ななさわや)製の各種雛道具、御所人形および三ツ折(みつおれ)人形などが含まれます。

上巳(じょうし)(三月三日節)にとりおこなわれる雛まつりの行事は、江戸時代に入ってから広まりをみせ、多くの女性たちの支持を集めました。儀式が定着するにつれ、その装飾は華麗なものとなり、時代時代の流行を取り入れながら、寛永雛、元禄雛、享保雛、次郎左衛門雛、有職雛、古今雛と俗称される多彩な雛人形や、精巧に作られたミニチュアの道具類が生みだされていきました。『和宮様御雛満留』(宮内庁書陵部蔵)や『静寛院宮御側日記』(同)、『和宮様おひゐな御道具』(内閣文庫蔵)などの記録によれば、和宮は、数多くの雛人形を手もとにおき、また上巳にはあちこちと雛人形を贈りあうなど、雛まつりを楽しんだようです。当館所蔵の雛人形・雛道具はその一部をなしていたと考えられ、江戸時代の文化や工芸技術を伝える資料として貴重です。

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【国文研】通常展示「和書のさまざま」

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 この展示が対象とする「和書」とは、主として江戸時代までに日本で作られた書物を指します。堅い言葉で言えば「日本古典籍」ということになります。ただし、明治時代頃までは江戸時代の書物の系統を引く本が作られていましたので、それをも取り扱っています。
  「和書」と似た言葉で「国書」という語がありますが、これは古典籍の内で、日本人の著作した書物を言います。「和書」はそれより広く、漢訳仏典や漢籍、あるいはヨーロッパ人の著作も含め、江戸時代以前に日本で製作されたすべての書物を指す言葉です。
  一般に書物が製作されるには、それを支えまた受容する文化的背景があり、そうして製作された書物が、新たな文化──文学、芸能、思想、宗教など──を生み出す基になるという現象が普遍的に見られます。書物によって展開した日本の文化を考える上で、日本人の著作か否かを問わず、日本で製作されたすべての本を視野に入れなければならない理由がここにあります。
  国文学研究資料館は、創設以来四十年以上にわたり、全国の研究者の御協力をいただき、所蔵者各位の御理解のもとに、国内外に所在する日本古典籍の調査を継続して行ってきました。調査を通して得られた、古典籍に関する新たな知見も少なくありません。この展示には、その成果も反映しています。
  この展示では、和書について、まず形態的、次に内容的な構成を説明した上で、各時代の写本・版本や特色のある本を紹介し、併せて和書の性質を判断する場合の問題をいくつか取り上げてみました。全体を通して和書の基本知識を学ぶとともに、和書について考えるきっかけとなることをも意図しています。
  和書の広大な世界を窺うためにはささやかな展示ではありますが、以て日本古典籍入門の役割を果たすことを願っています。

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