vol.010 - 高度連携・統合検索システム「nihuINT」をリニューアル

高度連携・統合検索システム「nihuINT」をリニューアル

 

■nihuINTとは

nihuINT(nihu INTegrated retrieval system)は、人間文化研究機構の各機関が所有する研究資源へのアクセスを容易にする統合検索システムとして2008年に運用を開始しました(第1期nihuINT)。多様な構造を持つ人文科学のデータベースが一元的かつ網羅的に検索でき、タイムラインや、地図上で時空間範囲指定や検索結果表示が行える時空間検索機能もあります。

現在は、機構の6機関および機構が運用する地域研究拠点のデータベースのみならず、国立国会図書館サーチ(NDL Search)京都大学地域研究統合情報センター(CIAS)などの外部機関のデータベースとの連携も実現し、検索対象は172データベースに拡大しました(第2期nihuINT)。

 

■第3期nihuINTへ

2017年3月、検索速度を改善しスマートデバイスにも対応するなど、大きくリニューアルした第3期nihuINTを公開しました。第2期nihuINTの特徴を紹介します。

(1)目的志向型検索

大量で多様なデータから、よりユーザが望むデータに到達可能なように、対象とするデータベースを絞る機能を追加しました。しかし、これは発見の意外性という横断検索の特徴と背反するものでもあり、今後の研究の課題です。

(2)スマートデバイスへの対応 

第2期nihuINTはPCでの利用を想定していたため、携帯型端末の小さい画面では非常に見づらく、検索結果が表示されるまで時間がかかっていました。第3期nihuINTは「人文科学を学ぶ大学生・大学院生がスマートフォンから気軽に使える強力な検索ツール」にしたいとの考えから、表示する文字の大きさに考慮するだけでなく、携帯型端末向けの検索機能を設け、機能を絞り込む代わりに軽快かつ迅速に横断検索を行なうことができるようにしました。

また第3期nihuINTには、検索結果をtwitterやfacebook等に代表されるSNSに送信できる機能もあり、コミュニケーションの活性化に寄与するものと期待しています。

 

■進化を続けるnihuINT

稼働を開始した第3期nihuINTは、今後より便利な機能を追加していきます。

(1)外部連携データベースの拡大

現在、機構、国立国会図書館、CIASのデータベースを結んで横断検索を実現していますが、人文学研究のすべての分野を包含した情報基盤として発展させるため、さらに連携データベースを拡大していきます。

(2)リポジトリとの連携

これまでのnihuINTは、研究素材へのアクセス向上に主眼を置いてきましたが、今後は機関リポジトリとの連携も図り、研究素材と研究成果の双方向へのアクセスが可能となる検索サービスを提供していく予定です。

(3)横断検索機能の向上

多様なデータベースのデータ連携や横断検索の水準を向上させるため、メタデータの形式をあらかじめ揃えるのではなく、データ内容を読み取ってメタデータを作り出す技術の開発に取り組みます。

(4)Linked Dataへの対応

柔軟な統合検索、他機関との容易な連携、データマイニングのための再利用性の確保という観点から、新たにLinked Dataによるデータベースの構築研究に着手しました。これまでは語句で検索し、その結果を一覧から選択しで詳細を表示するということがごく普通のデータベースの使い方でした。これからは検索結果から次々と関連するデータにつながってゆくことが期待されます。

(5)マルチメディアへの対応

nihuINTは目録型のデータベースを対象とすることから始まり、第2期では位置情報を持つ地図画像に対応しました。音源や映像などは未対応であり、マルチメディアへの対応も、今後検討していきます。

 

nihuINTが人間文化資源共有化を目標にサービスを開始したとき、横断検索の試みはそれほど一般的なものではありませんでした。しかし現在ではホテルの予約システムや家電品の価格比較など、いたるところで横断検索による情報サービスが利用されています。第3期nihuINTでは、実用段階に入った横断検索のひとつの到達点を目指して、より速く、より便利な、より洗練された検索サービスを、人文学に興味をもつすべての方々に提供していくことを目指します。

 

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第3期のnihuINT