大手町アカデミア × 人間文化研究機構 オンライン無料特別講座 「鮨鰒(すしあわび)」が伝える食文化と古代日本史〜平安時代の行政マニュアル『延喜式』を読み解く

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人間文化研究機構(以下「人文機構」)は、「大手町アカデミア」(主催:大学共同利用機関法人人間文化研究機構 一般社団法人読売調査研究機構 後援:読売新聞社)と連携・協力の下、人文機構が平成28年度から推進している基幹研究プロジェクトの成果発表の一環として、広く一般を対象に、オンライン無料特別講座を実施します。
講座の概要・申込方法等は以下をご参照の上、ぜひお申し込みください。

大手町アカデミア × 人間文化研究機構 オンライン無料特別講座
「鮨鰒(すしあわび)」が伝える食文化と古代日本史~平安時代の行政マニュアル『延喜式』を読み解く

講師:清武 雄二氏(国立歴史民俗博物館 特任助教)
ナビゲーター:河合 佐知子氏(国立歴史民俗博物館 特任助教)
 

みなさんは「アワビ」と聞いて何を思い浮かべますか?
高級食材として知られるアワビですが、古代日本においても特別な食材でした。

本講座では「アワビ」をキーワードとして、各官司の業務規定を集成した古代の法制書『延喜式』を読み解き、食文化を通じて古代日本史の理解を深めます。

講師は日本古代史を専門とし、『アワビと古代国家 『延喜式』にみる食材の生産と管理』の著者である国立歴史民俗博物館特任助教の清武雄二氏、ナビゲーターを日本中世史が専門の国立歴史民俗博物館特任助教の河合佐知子氏が務めます。

タイトルの「鮨鰒(すしあわび)」は、アワビのなれ鮨です。なれ鮨は、魚を保存するために米飯の発酵作用を利用した保存食の一種ですが、『延喜式』にも貢納の記録が残る伝統的な水産加工品です。清武氏は研究の一環としてその復元実験を行いました。

「鮨鰒(すしあわび)」の復元を通じて、『延喜式』が現代に生きる私たちに伝えるものは何でしょうか。参加者のみなさんと一緒に考えていきます。

講師による講座内容の紹介:
平安時代に役人の行政マニュアルとして編纂された『延喜式』には、50種をこえる魚貝類・海藻類と鮨鰒などの加工品を含む150ほどの水産食品が記されています。それらは各地から税として宮都まで運ばれ、年間を通して様々な古代国家の用途に利用されていました。冷蔵・冷凍による保管が不可能な古代では、腐敗しやすい水産品は遠隔地からの貢納と長期保管に耐えうる加工が不可欠ですが、残念ながら古代の加工法はよくわかっていません。
本講座では、『延喜式』にみえる多様な水産食品とその生産地、様々な消費用途上について説明し、そこから窺える古代の食文化の特徴について考えていきます。
また、祭祀や宮廷の饗宴に欠かせない食材として『延喜式』に頻出するアワビをとりあげ、製造実験や成分分析による加工法の研究を紹介し、『延喜式』に記された古代国家の営みの一端を読み解いていきます。

日時:2022年2月21日(月)18時~19時45分
開催方法:YouTubeライブ配信
受講料:無料
定員:100名(定員に達し次第締め切ります)
申込方法等:オンライン無料特別講座の詳細およびお申し込みはこちらをご覧ください。(外部サイトにリンクします。)